素敵な美術館その2
ボルティモア美術館
そんなパッとしない街ではあるが、もし訪れる機会があったらボルティモア美術館にはぜひとも足を運んでいただきたいです。
というのも、この美術館に寄託されている「コーン・コレクション」には、一九一七年から四〇年までの各年のマチスの作品、それに四百五十点近くの彫刻、デッサン、版画、挿絵本、それにマラルメの本のための挿絵などがあり、おそらく、このコレクションだけでも、マチスの大部分を知ることができるからです。
また、一九〇五~六年のピカソの、『三人の女』に至る頃のキュビスム時代の作品百十三点も、同様にまとめてコレクションされています。
とくにマチスの"ピンク・ヌード"として親しまれている『ばら色の裸婦』(一九三五年))や『紫のローブとアネモネ』(一九三七年)など、のびやかなマチスの代表作は、見る者にちょっとした興奮を与える。
画集で見慣れているはずの名作の数々が、思いもかけないところで見られることの喜ひは、ボルティモアというくすんだ印象の街と正反対です。