素敵な美術館その5
ボルティモア美術館
ボルティモアは、日本にまで知られるようなこれといった観光ポイントもなく、日本からわざわざ訪れることはほとんどないかもしれません。
しかし、それでも、エドガー・アラン・ポーが一八三二年から三年間住んだ家、ホームラン王べーブ・ルースの家、それに、米英戦争の激戦の地に建つ、現在のアメリカ国歌を生んだ星条旗の家など、訪れてみればけっこう見るところも多いです。
古いチャイナ・レストランでの食事も、いかにも東部の古い街らしい思い出を残してくれるはずです。
ボルティモア美術館
ボルティモアは、日本にまで知られるようなこれといった観光ポイントもなく、日本からわざわざ訪れることはほとんどないかもしれません。
しかし、それでも、エドガー・アラン・ポーが一八三二年から三年間住んだ家、ホームラン王べーブ・ルースの家、それに、米英戦争の激戦の地に建つ、現在のアメリカ国歌を生んだ星条旗の家など、訪れてみればけっこう見るところも多いです。
古いチャイナ・レストランでの食事も、いかにも東部の古い街らしい思い出を残してくれるはずです。
ボルティモア美術館
緑ゆたかな野外彫刻ガーデンは、ヘンリー・ムア、アレグザンダー・カルダー、イサム・ノグチをはじめとする代表的な彫刻家の作品が、ゆったりとした間隔で配置され、現代彫刻を一望のもとに概観できるようになっている。
「ヤコブ・ウイング」をなす八つのギャラリーには一五世紀から一九世紀の名作がそろっています。
ボッティチェリ、ティティアーノ、フランス・ハルス、ラファエロ、フラゴナール、プッサンなどだが、ラファエロの『モンテフェルトルのエミリア・ピア』の精確なポートレートがことのほか印象的です。
現代絵画を見るなら第二次大戦後から現代までの絵画・彫刻の展示がなされている「フーパー・ウイング」が、要領よくまとまっている。
モンドリアン、ミロ、ジョージア・オキープ、ヘレン・フランケンサーラー、ヴィレム・デ・クーニング、ロバート・ラウシェンバーグ、ジャスパー・ジョーンズ、フランク・ステラ、エルスワース・ケリーらの画面を追うことで、アメリカの戦後の現代美術をコンパクトにたどれるでしょう。
ボルティモア美術館
このコレクションの寄贈者であるクラリベルとエッタ・コーン姉妹が、ガートルード・スタインと親交を結んでいたせいもあるのでしょう。
同コレクションには、ブランクーシの小品も含まれていて、コレクターとしてのコーン姉妹の目の確かさを感じます。
マチス、ピカソをはじめとするこのコレクションは、一九八六年の六月に完成した新館「コーン・ウイング」でまとめて見られるようになった。
シャープな石造の外観からは想像しにくい、内部の明るい展示空間が、旧館のクラシックな雰囲気と好対照をなしています。
ボルティモア美術館
そんなパッとしない街ではあるが、もし訪れる機会があったらボルティモア美術館にはぜひとも足を運んでいただきたいです。
というのも、この美術館に寄託されている「コーン・コレクション」には、一九一七年から四〇年までの各年のマチスの作品、それに四百五十点近くの彫刻、デッサン、版画、挿絵本、それにマラルメの本のための挿絵などがあり、おそらく、このコレクションだけでも、マチスの大部分を知ることができるからです。
また、一九〇五~六年のピカソの、『三人の女』に至る頃のキュビスム時代の作品百十三点も、同様にまとめてコレクションされています。
とくにマチスの"ピンク・ヌード"として親しまれている『ばら色の裸婦』(一九三五年))や『紫のローブとアネモネ』(一九三七年)など、のびやかなマチスの代表作は、見る者にちょっとした興奮を与える。
画集で見慣れているはずの名作の数々が、思いもかけないところで見られることの喜ひは、ボルティモアというくすんだ印象の街と正反対です。
ボルティモア美術館
メリーランド州ボルティモアは、首都ワシントンDCから六十キロほど離れた、チェサピーク湾の奥にある都市で、アメリカ合衆国では九番目のおよそ七十九万人の人口をもちます。
一八三〇年にボルティモアとオハイオを結ぶ鉄道がアパラチア山脈を越えて開通して以来、中西部への入口として栄え、またペンシルベニア炭田の石炭の積出し港としても重要な都市でした。
しかし、エネルギー革命と鉄鋼不況、交通・通信の飛躍的な発達は、この東部の名門都市にも少なからぬ影響を与えているらしく、アメリカ九番目の都市にしては、あまりにも静かでくすんだ印象は免れません。
とくにワシントンから着いてみると、どうしてもさびれた街という印象が強くなってしまいます。
ブランデイワイン・リヴァー美術館
詩情あふれる画面を見ていると、アメリカ人ならずとも、古き良きアメリカをしのびたくなるほどです。
新館のミュージアム・ショップには、いつもワイエスの作品を刷った絵葉書や画集、カタログを求める入館者が群がっていて、いかにワイエスが人々に愛されているかがよくわかります。
同じく新館のレストランや、館の裏手を流れるブランデイワイン.リヴァーでゆったりとした時間を過ごすうちに、静かに夕闇がせまりチャズ・フォードのツアーが終わる。
ぜひとも訪れてみたい美術館です。
ブランデイワイン・リヴァー美術館
ワイエスが描くアメリカは、都会のそれでもスーパーレアリスムのそれでもなく、ひたすら「わが心のアメリカ」です。
チャズ.フォードの野に山に吹き抜ける風、降りしきる雪、そしてそこに住む素朴な隣人たち。
それらは皆、かつてアメリカがそうであったもの、そしてこれからもそうありたいと願う姿なのでしょう。
ていねいに、誠実に、枯野に茂る雑草の一本にまでワイエスの父親ゆずりの観察の眼が届いている。
ブランデイワイン・リヴァー美術館
小さな納屋のような門を入ると、中庭に出る。
その、まるでタイムスリップでもしたかのような静けさのなかを歩いていくと、右手にレンガ積みの製粉小屋が現われ、やがて入口に達します。
三フロアに分かれたギャラリーは、アンドリュー・ワイエスの他、挿絵画家だった父のN.C.ワイエスの『宝島』の挿絵、ジェミー・ワイエスらの作品が常設され、新館には三つのギャラリーが併設されています。
ブランデイワイン・リヴァー美術館
やがて、古き良きアメリカの自然と歴史を残すためにこの流域を保護・保存しようという運動が起こり、その中心的存在になったのがワイエス美術館の通称をもつ「ブランディワイン・リヴァー・ミュージアム」なのです。
静かに流れるブランデイワイン・リヴァーを背に建つ美術館は、古い製粉所を改修した建物で、内部は古い木材にしっくい塗りの壁という、雰囲気に満ちた美術館です。
駐車場から美術館に歩を進めると、かつて使用していた石うすが地面のあちこちに埋めこまれており、この石うすは同館のシンボルマークにもなっています。
おすすめ美術館
国道一号線と、ペンシルベニア州道百号線が交わるあたりのチャズ・フォードは、一七七七年にワシントンがイギリス軍と戦って敗れた古戦場としてアメリカ史には欠かせない地名だが、この小さな田舎町をさらに有名にしたのは、この地に生まれ、周辺の風景や隣人たちを精妙なタッチでノスタルジックに描き続けるアメリカの国民的画家、アンドリュー・ワイエスの存在でしょう。
アパラチア山脈に源を発し、デラウェア湾にそそぐ全長百キロにも満たない小さな川、ブランディワィン・リヴァーは、この地では古くから小麦運搬の水路として活用され、多くの粉ひき小屋が作られました。
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